野鳥写真家である著者が25年の歳月をかけ生態調査を続けてきた成果。大型猛禽類「クマタカ」の生態を豊富な写真とともに解説する。
若尾 親 著
山﨑 亨 監
出版年月 2023/03
ISBN 9784582542684
Cコード・NDCコード 0645 NDC 488.7
判型・ページ数 B5変 600ページ
定価8,800円(本体8,000円+税)
3月27日より平凡社より販売されます。
野鳥写真家である著者が25年の歳月をかけて撮影と生態調査を続けてきた成果が結実。日本固有の貴重種で、大型猛禽類「クマタカ」の生態を豊富なビジュアルで徹底的に解説する。
本書は、クマタカの概要から始まり、繁殖生態、環境利用、採食行動、食性、求愛行動へと進み、繁殖活動の詳細、鳴き声、換羽を経て、イヌワシとの比較、形態上の特徴、保全上の諸問題へと至る。どの項目も、ご自身の長年にわたる観察結果を中心にまとめられており、資料性が非常に高い。また、数多くの写真が記述を裏付け、捕捉し、話の流れを興味深いものに仕立てている。読んでいて、見ていて、クマタカが織りなす野生の世界に引きずり込まれていくのを感じる。
――樋口広芳(鳥類学者・東京大学名誉教授)「『クマタカ生態図鑑』刊行によせて」より抜粋
若尾氏はクマタカの研究論文や関連書籍を徹底的に調べ上げたうえで、フィールドに通い続けた。そこにはクマタカの既知の行動だけでなく、真の生態を明らかにするのに不可欠な数多くの発見があり、若尾氏はそれらを写真と共にクマタカの生態の新たな知見として克明に解説している。つまり、本書は単に素晴らしい写真集であるのみならず、クマタカの生態を伝える研究書としての価値も有する貴重な生態図鑑であるといえる。
――山﨑 亨(アジア猛禽類ネットワーク会長)「監修者あとがき」より抜粋
第1章 各部位の名称
第2章 用語解説
第3章 クマタカの概要
第4章 生態
第5章 生息環境と行動圏
第6章 容姿と年齢
第7章 ハンティング
第8章 食性
第9章 ディスプレイ飛翔
第10章 繁殖活動 求愛期から抱卵期
第11章 繁殖活動 巣内育雛期
第12章 雛の日齢変化
第13章 繁殖活動 巣外育雛期
第14章 追い出し行動と分散
第15章 繁殖の現状
第16章 繁殖失敗事例
第17章 繁殖戦略と死亡率
第18章 鳴き声
第19章 換羽
第20章 個体識別
第21章 干渉行動とモビング
第22章 クマタカとイヌワシ
第23章 翼と羽の形状
第24章 猛禽類調査
第25章 猛禽類の保護・保全
第26章 クマタカの未来